見積書の仕方と見方▼見積りをするには見積りをするには、建物のすべての仕様を決めてからでないと見積りできません。基礎の形状、屋根の種類、外壁、サッシ、床板、内壁、天井、台所セット、浴室、コンセントの数など仕上げに関する事柄と数量のすべてを明記します。その書類を「仕上げ表」といいます。その仕上げ表がしっかりしていないと、見積りができないのです。
▼大手住宅メーカーの見積りとは大手住宅メーカーの見積の方法は、とても簡単です。 お客さんの敷地にはいる間取りのパターンを、メーカーが決めた設計図面集から探しだし、希望の図面を決めます。そしてあらかじめ決められている各部の仕上げパターンサンプルのなかから、希望の部材(床板、台所セット、洗面台、浴槽、サッシ、外壁などのことをいいます)を探します。それが決まったら見積りに入ります。提出するされる見積書は三○坪の住宅でも、一○○坪の住宅でも「一式○○○万円」という一枚の用紙でしかありません。「もっと細かな見積書を提出して欲しい」と言っても無理なのです。 細かな見積書を提出すると、住宅メーカーの「ボロ」が出てくるのです。しかし追加工事を頼むと、不思議に細かな明細が出てきます。しかもわれわれプロが見ても、目の玉が飛び出すくらいの高い金額なのです。大手住宅メーカーも見積書の不透明さを指摘されはじめ、なんとかしようと対策を考え始めています。そうなったら資材の仕入れかけ率が高い中小工務店は太刀打ちできなくなり、ますます大手住宅メーカーは脅威になります。 ▼中小工務店の見積りとは中小工務店の見積りは、二通りに分かれます。 一つの見積り方法として、部材原価を一つ一つを拾い単価を入れて集計し、集計した原価に工務店経費を足して見積りをする方法です。この場合、工務店の仕入れ努力によって部材購入原価が違ってきます。仕入れ努力をしていない工務店は、必然的に見積金額が高くなり、合見積りの場合で金額的に言うならば、他の工務店に負けてしまいます。
▼見積りできない工務店もあるもう一つのケースとして、信じられないのですが未だに「ドンブリ勘定」をしている工務店があるのです。地方の田舎によくあるのですが、親戚であるばかりでドンブリ見積りする工務店に頼んでしまってお金が足りなくなり、追加請求されてトラブルになるのです。こんな体質の悪い工務店がまだはびこっているから、大手住宅メーカーに「すき」をあたえてしまうのです。そして仕事がないことを不景気の責任にし、「仕事がない」と大騒ぎしているのです。 このような時代遅れの体質の工務店は、長続きしないでしょう。たとえ親戚でも頼まない勇気が必要です。とりあえず三通りの見積もりの仕方を説明しました。 前出の埼玉県のAさんのケースがこのようなタイプの工務店です。 これからが正念場だ、地元の工務店よ最近は、地元の工務店の元気がありません。いくら腕が良くても営業力のない工務店は、資金力・営業力のある大手に仕事を取られてしまうのです。 地元の工務店の生き延びる方法は、大きく分けて次のようになります。
1、大手住宅メーカーの下請けになる 一番簡単な方法ですが、良い腕を持っている大工さんとしては若い現場監督の言いなりになるのです。プライドも捨てなければなりません。賃金も「生かさず、殺さず」になります。最近は大手の下請け業者になるのも簡単ではないようです。 程度の悪い建て売り住宅専用の大工さんになる方法もありますが、生活していくためには手抜き工事をせざるを得ないようです。
2、フランチャイズに加盟する 最近はやっているローコスト住宅メーカーのノウハウを利用して、仕事を取るのです。 私の所にもダイレクトメールがよくきますが、「確実に三○パーセントは儲かる」等と宣伝しており、これらの戦術に参加するのです。ちょうどコンビニエンスストアーに加盟するようなものです。加盟料などを含めるとかなりの金額になります。加盟する工務店が増えると共食いになり経営が苦しくなります。
3、他にまねが出来ないような営業展開をする 経営者がしっかりした考えを持ち、独特な営業展開をする方法です。そして大手住宅メーカーと真っ向から戦うのです。相当な精神力が必要となります。
以上、大きく分けると三つになります。 ほとんどの工務店は「1」を選択するでしょう。何とか頑張って「3」に挑んで欲しいものです。 住宅設備機器はこんなにも安く購入できる。住宅のローコスト化が進んでおります。実は私、問屋から直接建材や住宅設備機器を買っているのです。とても安く買えるのです。 一例を公開しましょう。(メーカーは一流国産品です。)
以上はほんの一例です。私のような小さな工務店でも、これだけ安くなるのです。もっと大量にまとめて仕入れる大手住宅メーカーや、フランチャイズ住宅メーカーなどはどのくらい安く仕入れているのでしょうか? ▼工事別の説明
普通工務店の利益は25〜35パーセントは必要と言われております。ところが諸経費として30パーセントも提示するとお客さんは驚いてしまいます。ですから諸経費のところは10パーセント程度にしておいて後の20パーセントは、各工事の中に滑り込ませているのです。このことは建て主が見積書を見て調べてもわかりません。 Copyright (C) 2003 Masuno. All Rights Reserved |